不登校新聞

554号 2021/5/15

働くことがずっと怖かった私が見つけた「楽しく働くための条件」

2021年05月14日 11:22 by kito-shin

連載「仮説なんですが…」vol.51

 約10年前、私は統合失調症という病気になった。ご存じの方も多いだろうが、現在の医学では治りにくい、やっかいな病気だ。症状の程度や中身は人それぞれで、私の場合、頭がうまく働かなくなって、たとえば「6+7」のようなかんたんな足し算ができなかったり、子ども向けの漫画のストーリーが難しすぎてわからなかったりした。「このまま一生治らない」、そんなふうに考えて絶望とともに日々をすごしていた。

 当然、働くことなんて考えられない。どうやったら自分がこの先、生きていけるか、わからなかった。すべてを失ったと思った。希望がほしくて、統合失調症の数学者ジョン・ナッシュの半生を描いた映画なんかも見たけれど、感想としては「なんだかんだで生きていられて、私よりもぜんぜんマシじゃないか、こんちくしょう」と思ったのを覚えている。

 働くということが私はずっと怖かった。何度バイトをしても仕事ができない。叱責が怖くて続かない。聞こえよがしに嫌味を言われたり、客のいないところで怒鳴られるなんてざらだった。だから、学生時代から、就職して働くことは自分には無理なんじゃないかとずっと不安を抱えていた。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

自虐ネタで幸せになれない、ふたつの理由

555号 2021/6/1

やりなおしがきかないのは「歯」、5年ひきこもった経験者の実体験

553号 2021/5/1

「学校は無理に行くところじゃない」と現役教員が思う理由

552号 2021/4/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

578号 2022/5/15

2021年、初の民間フリースクールとなる「フリースクールMINE」が鹿児島...

577号 2022/5/1

項目にチェックするだけで、学校と親が話し合いをする際に使える資料にもなる「...

576号 2022/4/15

子育ての話題では、お父さんがどうしても置いてきぼりになりがちです。夫婦です...