ひきこもりの多様さを知ってほしい――。その思いを形にすべく、ひきこもり支援にかかわる当事者団体が「ひきこもり白書2021」を刊行しました。
ひきこもり経験者・当事者など、1686人を対象に行なったアンケート結果を集約。ひきこもったきっかけや家族関係、学歴と職歴などのほか、お金や既存のひきこもり支援サービスなど、ひきこもりにまつわるさまざまなテーマに関する調査結果を網羅しています。また、アンケートに寄せられた46万字におよぶひきこもり経験者の声も一部抜粋して掲載されています。
内閣府の調査により、ひきこもりは100万人いると推定されています。そうしたなか、白書では「ひきこもりは働いたことがない」「ひきこもりは怠けているだけ」という社会の捉え方はひきこもりの実態とはかけ離れていると指摘します。では、どれほどかけ離れているのか。日本初となるひきこもりに特化した白書の中身をご紹介します。
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白書によると「現在就労していない」と答えた909名(有効回答)のうち「就労経験なし」と答えた割合は20・7%であり、8割近い人が「過去に就労経験あり」と答えている。
また「働きたいと思うか」についてたずねたところ、「現在就労していない」と答えた人のうち、「とても思う」「思う」と答えたのは合わせて59・8%と、およそ6割が「就労の意欲あり」と回答した。
また、「ひきこもり経験がある」と答えた1186人にひきこもりの回数をたずねたところ、もっとも多かったのは「1回」で73・5%だった。
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