不登校新聞

558号 2021/7/15

1686人に調査、46万字の「声」。ひきこもりの多様さを知って

2021年07月14日 15:23 by kito-shin
2021年07月14日 15:23 by kito-shin

 ひきこもりの多様さを知ってほしい――。その思いを形にすべく、ひきこもり支援にかかわる当事者団体が「ひきこもり白書2021」を刊行しました。

 ひきこもり経験者・当事者など、1686人を対象に行なったアンケート結果を集約。ひきこもったきっかけや家族関係、学歴と職歴などのほか、お金や既存のひきこもり支援サービスなど、ひきこもりにまつわるさまざまなテーマに関する調査結果を網羅しています。また、アンケートに寄せられた46万字におよぶひきこもり経験者の声も一部抜粋して掲載されています。

 内閣府の調査により、ひきこもりは100万人いると推定されています。そうしたなか、白書では「ひきこもりは働いたことがない」「ひきこもりは怠けているだけ」という社会の捉え方はひきこもりの実態とはかけ離れていると指摘します。では、どれほどかけ離れているのか。日本初となるひきこもりに特化した白書の中身をご紹介します。

* * *

 白書によると「現在就労していない」と答えた909名(有効回答)のうち「就労経験なし」と答えた割合は20・7%であり、8割近い人が「過去に就労経験あり」と答えている。

 また「働きたいと思うか」についてたずねたところ、「現在就労していない」と答えた人のうち、「とても思う」「思う」と答えたのは合わせて59・8%と、およそ6割が「就労の意欲あり」と回答した。

 また、「ひきこもり経験がある」と答えた1186人にひきこもりの回数をたずねたところ、もっとも多かったのは「1回」で73・5%だった。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

物議を醸した東近江市長の発言 不登校の歴史から考える差別や偏見に立ち向かうために必要なこと

614号 2023/11/15

いじめがきっかけで不登校に 学校と生徒で「認知差85倍」の理由【全文公開】

613号 2023/11/1

「不登校に至る重大ないじめ 大半が見過ごしのおそれ」不登校支援団体らが記者会見で訴えた問題点と改善点【全文公開】

613号 2023/11/1

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

616号 2023/12/15

「1日15分から働けるカフェ」、愛知県春日井市のカフェ「ワンぽてぃと」では、社…

615号 2023/12/1

今回は障害や気質によって髪を切るのが苦手な子どもに寄り添う「スマイルカット」の…

614号 2023/11/15

「学校や会社とつながることに必死だった」。今回は、不登校の子どもと親の会「Sw…