辞めればいいとか、かんたんに言わないで――。中学3年間不登校した後、高校に進学した娘がふたたび学校を休み始めた際、親が「学校を辞めるのも一つの道よ」と言った言葉に返ってきた返事です。娘が希望する進学先とはいえ、無理をさせたくないという親の思いから出た言葉ですが、では、親としてどうすればよいのか。かつて、わが子の不登校に悩み、その経験をもとに「不登校の親の会」を30年近く主宰してきた加嶋文哉さんがほかの家庭の実例をふまえて解説します(冒頭の写真はイメージ写真です)。
* * *
中学の3年間をほとんど不登校ですごしたAさんの娘さん。好きな部活動がある私立高校に進学し、友だちもでき、よい先生にも出会い、生き生きと学校生活を送っていました。
ところが、2学期になって腹痛を訴えて学校を休み始めました。最初は車で送ったりしましたが、無理をさせることに意味がないように思えました。「そんなにつらいなら、学校を辞めるのもひとつの道よ。自分に合ったところをまた見つければいいじゃない」と、娘さんに伝えました。すると、「そんなかんたんなことじゃない。私はこの学校に通いたくてがんばっているのに『辞めればいい』とか、かんたんに言わないで」と泣き出したそうなんです。Aさんはどうしたらよいのかわからなくなり、例会に参加してくれました。
読者コメント