第49回衆議院議員総選挙(10月19日公示、同月31日投開票)について、全国不登校新聞社では「政党アンケート」を実施し、9つの政党から回答を得た。質問概要は「不登校」「コロナ禍の学び」「子どもの自殺」「こども庁」「ひきこもり」の5つ。各回答は200文字で依頼し、回答全文を今号では掲載している。この記事では「不登校」について、各党がどのような問題認識を持ち、どんな政策が必要だと考えているかを紹介する。
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文部科学省の最新の調査結果によると、令和2年度の不登校児童生徒数は19万6127人と過去最多を更新、8年連続で増加している。この現状について各党は「喫緊の課題」(自民党)、「厳しい環境」(立憲民主党)、「学校が息苦しくなっている」(共産党)、「大きな問題」(日本維新の会)、「深刻な状況」(社民党)などの認識を示した。また「どの子にも起こり得る」(公明党)という認識を示す政党があり、より踏み込んで「子どもの『学校へ行かない選択』を認めるべき」(NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で)、「不登校は子どものせいではない」(れいわ新選組)とする政党もあった。
各党が掲げる必要な施策は
不登校について、どのような取り組みが必要と考えているのか。各党の回答を見ると、「学校」と「学校外」の双方について言及する政党がもっとも多く、なかでも「フリースクールなどへの支援」を明確に打ち出しているのは、立憲民主党、共産党、国民民主党の3党だ。
立憲民主党は「少人数学級の推進」「学校現場への専門家配置」などとともに「フリースクールなどへの積極的な支援」を挙げた。共産党は「安心して相談できる窓口の拡充」「学校復帰を前提としない公的施設の拡充」などとともに「フリースクールなどや親の会への公的支援拡充」など、不登校の親の会への支援までも視野にいれている。国民民主党は「オンライン授業の拡充」「教員などの予算確保や人的配置」を打ち出す一方で「不登校の子どもたちの居場所づくりやフリースクールなどへの支援の拡充」を掲げている。
また、自民党は「教育支援センターの機能強化と設置促進」「不登校特例校の設置促進」などに加え「学校外で学ぶ子どもたちへの支援」を掲げた。公明党は「子どもや保護者・教員などへ休養の必要性について周知」に加え「学びの機会の充実」を挙げた。
社民党は「学力テスト体制からの脱却」「25人以下の少人数学級の拡充」のほか「不登校の子どもたちの居場所を保証する必要がある」としている。れいわ新選組は「学校の現状を変えることなく、フリースクールでの学習を義務教育として公認するだけでは、その場しのぎで不十分」としたうえで、「子どもが学校を『拒否』する理由について、学校関係者および不登校に関わる支援者が本気で取り組むことが根本的な解決につながる」との見解を示した。NHKと裁判してる党弁護士法72条違反では「ホームスクーリングやフリースクールなど、多様な学びの機会を子どもたちに提供できる仕組みを検討すべき」とした。
「学校」に関してのみ言及したのは日本維新の会で「小学生の段階で早期に手を打つ、中学校へのていねいな引継ぎ」など、不登校については早期に対応すべきとの見解を示している。 (編集局・小熊広宣)
不登校を問題視する認識、政治の世界で見られる変化
各党の回答で明確になったことが1点。不登校は「怠けであり容認すればさぼり癖がつく」という認識の回答はありませんでした。不登校した本人を問題視する風潮は終わりかけています。今回は維新だけが不登校原因の1つに「本人の問題」を挙げていましたが、自民党でさえ、不登校を「課題」と表現しています。本人を問題視するニュアンスを避ける意思が感じられます。また、不登校に対して「とにかく学校復帰を」という回答もありませんでした。いまだに一部の教育現場では本人の意思に反した学校復帰を求めています。しかし政治の世界では問題認識が変わりつつあります。(編集長・石井志昂)
不登校に今後必要な取り組み 各党の回答 (一部要約抜粋)
【自民党】
「教育支援センターの機能強化・設置促進」「学校外で学ぶ子への支援」など
【公明党】
「関係者への休養の必要性の周知徹底」「学びの機会の充実」など
【立憲民主党】
「少人数学級の推進」「学校現場への専門家配置」「フリースクール等への積極的な支援」など
【共産党】
「相談窓口や学校復帰を前提としない公的施設の拡充」「フリースクール等への公的支援の拡充」など
【日本維新の会】
「小学生段階での早期対応・中学への引継ぎ」など
【国民民主党】
「実態把握」「フリースクールへの支援拡充」など
【社民党】
「少人数学級」「不登校の子への居場所の保障」など
【NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で】
「ホームスクーリング等多様な学びの機会の提供」など
【れいわ新選組】
「不登校の原因に対する学校および不登校関係者による取り組み」など
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