朝鮮学校を訪ねて
6月13日(日)、東京都北区にある東京朝鮮中高級学校の文化祭「アンニョンハセヨ2010」を取材してきた。今年4月、「高校授業料の無償化」の対象から外れた朝鮮学校のようすを、自分たちの目で見るのが目的だ。
朝鮮学校とは、在日朝鮮人の子どもたちが通う学校だ。北朝鮮といえば、拉致問題や核開発問題など、日本だけではなく、世界各国とのあいだで外交上の摩擦が起きていることは否めない。
今年4月、「高校授業料の無償化」という取り組みが始まったが、そうした政治的な背景から、朝鮮学校は授業料無償化の対象からはずされてしまったのだ。インターネット上でも「子どもを政治の道具にしている」「思想教育を受けさせている」などという批判がされており、今回の日本政府の対応については賛否両論ある、というのが世論の現状だろう。
私は正直、北朝鮮に対してよい印象を持っていなかった。マスコミなどから伝わってくる情報を見聞きするかぎり、「なんとなくこわい」というイメージがぬぐえなかったからだ。とはいえ、朝鮮学校だけ対象外というのも納得がいかない。それならばと、実際の朝鮮学校に行き、そこで行なわれている授業や文化の一端にじかに触れたうえで、一連の問題を考えたいと思うようになった。
出店でキムチを売る生徒のみなさん
"よく”ではなく "ありのまま”を
私たちはまず、朝鮮学校のユン副校長先生にお話をうかがった。「入試は行なうが選抜せず、学力によるクラス分けなどもしない」「私たちはウリマル(朝鮮語のことで、私たちの言葉という意味)を大切にした授業を行なっている」など、教育へのこだわりや校風などを知ることができた。
なかでも印象深かったのは、「朝鮮学校について、いいように書く必要はありません。ありのままを見て、ありのままを書いてください」というお話だった。通例行なう原稿確認でさえ、私たち子ども若者編集部を信頼するということで、一任していただいた。
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