不登校新聞

577号 2022/5/1

2年で15万件以上の相談に対応、今つらい人が頼れる逃げ場をつくる意味

2022年04月26日 11:27 by kito-shin

 「つらいとき、頼れる人に出会えることを『偶然』ではなく『必然』にしたい」。そんな思いを持つ大空幸星(おおぞら・こうき)さんにインタビューしました。大空さんは一昨年、24時間365日、無料でチャット相談ができるプラットフォーム「あなたのいばしょ」を立ち上げました。開設の経緯や相談を受けるうえで大切にしていることなどを、不登校経験者の伊藤歩さんがうかがいました(※画像は「あなたのいばしょ」トップページと大空幸星さん)。

* * *

――なぜチャット形式での相談窓口を始めようと思ったのでしょうか?

 私が相談窓口をつくろうと最初に思いついたときから、チャット以外の選択肢は考えていませんでした。これまで、自殺に関する相談支援は電話が主流でした。しかし、今の子どもたちや若者は、日常的に電話を使うことはほとんどありません。総務省が毎年9月に出している「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」というデータによると、若年層はスマホの電話機能でさえ、あまり使わなくなっている。固定電話にいたっては令和2年の統計では使用時間は0分でした。

 それに対して、SNSの1日の平均利用時間は1時間を超えています。ふだん、ごく近しい人や友人とコミュニケーションを取るときも、電話ではなくSNSがよく使われます。そしてSNSは、インスタグラムなど写真がメインになっているものもありますが、LINEやツイッターなど、多くは文字を使います。つまり現在のコミュニケーションは活字がメインなんです。子ども・若者からすれば電話や対面で話すよりも、文字にして投稿するほうが、かんたんなのですね。

 また電話や対面での相談は、話す内容を考えながらでないと、うまく話せません。ですがチャットなら自分のペースで思いつくままに書いて、すぐに消すこともできます。そもそも若者にとって深刻な問題を、使いなれない電話で相談するのはミスマッチです。電話をメインに使っている相談支援者と子どもとのあいだでギャップが起きていると感じます。昨今、多くの年代で自殺者が減っているのにも関わらず、子どもや若者の自殺が増えているのには、こうしたギャップも理由の1つだと思います。

10代20代の相談内容は

――10代20代からの相談内容はどのようなものが多いのですか?

 「今すぐにでも命を絶ちたい」というものが多いです。そうした相談に対してどう対応するか。

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