2010年4月25日に発足した「なくそう! 子どもの貧困全国ネットワーク」。設立記念シンポジウム当日は、フリースクールや朝鮮学校などに通う子ども・若者によるシンポジウムも行なわれたほか、「子ども・若者『学びの平等宣言』」が採択された。今回は同ネットワーク共同代表の一人である三輪ほう子さんに、当日のようすや今後の活動展開などについて、執筆いただいた。
「フリースクール・フリースペースに通う高校生年齢の子どもに、通学定期券の適用を認めてください!」、
「高校授業料無償化の対象に、朝鮮学校も差別なく加えてください!」、「『学びたい!』という気持ちを自然に抱くことのできる安心で安全な生活環境の保障をしてください!」、「高校、大学の給付型奨学金を公的資金で新設してください!」。
これは、4月25日、「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク設立記念シンポジウムのなかの〈子ども・若者シンポジウム〉で発表された「子ども・若者『学びの平等宣言』」にある要望です。
2010年4月から「高校授業料無償化」が実現したことは、たしかに画期的なことではありますが、でも、日本で暮らす高校生年齢のすべての若者が学ぶことを無償にしているのではありません。
フリースペース、朝鮮学校、自立援助ホーム、定時制高校、遺児家庭など、無償化の対象にならなかったり、授業料以外の学費負担が重いままだったり、学ぶことにお金の問題が障害となっている若者たちが存在しています。
それらを解決していくうえで、この「宣言」はたいせつな一歩であると思います。若者自身が自分たちのことばで発信しているという点で、また、ひとつの立場だけでなく、つながりをつくっての共同の発信であるという点で。
1月末に準備会としてスタートした私たちネットワークは、年度末を控え、学費滞納による卒業危機や希望しても定時制高校に入れない問題など中学・高校生の「卒業クライシス」に取り組み、若者の発信の機会をつくってきました。そして、これまで長いあいだ子どもたち若者たちに寄り添ってこられた先生方やおとなたちなどの支えも得て、「学びの平等宣言」は実現したのだと思います。
「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワークは、子ども・若者たちを主人公に、赤ちゃんから若者まで、お金がなくて困ること、そのことから生まれるつらいこと悲しいことをなくしていくために活動していきます。政策や法律づくりへの提案、調査といった社会に働きかける活動や発信のみならず、おたがいの活動の場所を訪ねての学び合い、子どもたち若者たち自身が参加して楽しいイベントなど、つながりが希望になるような取り組みを工夫していきたいと思います。
困難もあるけれど喜びもある取り組みをいっしょにしていきませんか? 子どもたち・若者たちの生きる権利・学ぶ権利を実現していくための保障として、子どもの貧困を解決していくことを願っています。(全国ネットワーク共同代表・三輪ほう子/連絡先080・1158・3494)
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