不登校新聞

593号 2023/1/1

不登校の子どもが一歩を踏み出すときにつぶやく「ひとこと」

2022年12月21日 12:45 by kito-shin
2022年12月21日 12:45 by kito-shin

 「学校へ行きたくない」と子どもから言われたとき、親はまず何をすべきなのか。実際に学校を休み始めたあと、親はどう対応すればよいのか。そもそも、不登校の予兆となるSOSにはどのようなものがあるのか。そして、不登校で傷ついた子どもの心はどのように回復していくのか。これら、不登校の子どもを持つ親が抱える疑問や不安の1つひとつについて、これまで400人以上にインタビューしてきた全国不登校新聞社の石井志昂が解説します(※写真は石井志昂さん)。

* * *

 本日は、これまで編集者として不登校当事者の話を聞いてきた立場から、不登校の子どもを持つ親の悩みと現状についてお話ししたいと思います。「子どもから学校へ行きたくないと言われたら、どうしたらいいのか」と質問されることがあります。これは、はっきりと答えが出ています。「行きたくない」と本人が言ったら、その日は「わかった」と言って休ませてほしい。NG行動は「なんで行きたくないの?」などと聞き返すこと。なぜなら、理由を尋ねられると、子どもは追い詰められてしまうからです。

 子どもが不登校になると、親は将来のことを心配します。しかし、不登校をあなどらないでいただきたいと思います。通学適齢期の6歳から18歳までの子どもが何月何日に亡くなったかという調査(図1)によると、2015年までの40年間で一番飛び抜けて多かったのが9月1日です。9月1日というのは、おおむね夏休み明けの当日です。「学校へ行くくらいなら死んだほうがましだ」と追い詰められた子どもがこれだけの数、存在するということです。未来のことなど憂いている場合ではありません。学校へ行くことが今、本人の命を脅かす問題に発展しかねないということをおぼえておいてほしいです。

 当日は休ませるとして、その後はどうしたらいいでしょうか。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「発達障害の子どもの進路を考えるために」親子で知っておきたい3つのこと

625号 2024/5/1

「不登校の子どもが1歩を踏み出すときは?」『不登校新聞』代表が語る心が回復する4つの過程

622号 2024/3/15

「不登校からの高校選びに迷っている親へ」現役校長が語る高校選びの際に役に立つ4つの極意【全文公開】

620号 2024/2/15

読者コメント

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…