不登校が始まった日、当事者はどんな気持ちでその日を迎えたのだろうか。今号より、子ども若者編集部のメンバーがその日のことをリレー執筆する。
 

私には私の時間が流れている

 不登校になったのは小学4年生のときでしたが、その日のことは憶えていません。かろうじて自覚しているのは、休み始めた最初の理由が腹痛だったことくらいです。

 というのも、私の場合、休み始めたその日どころか学校に行けなくなってから3カ月くらいのあいだのことを思い出すことができないからです。のちに母が教えてくれた話によると、学校に行けなくなった私は母のそばを離れられなくなったり、トイレでは扉を開けっぱなしでないと用を足せなくなったり、突然、弟をつねったりしたそうです。

 そのあとは、気晴らしに買ってもらったポケモンにのめり込んで、どこに行くときもゲームボーイを持ち歩く日々が始まり、私の記憶とも一致してきます。

 精神的につらかったときのことは多少憶えていますが、正直、そんなことがあったと言われてもまったく身に覚えがありませんでした。

 いつのまにそんなに苦しくなっていたのか、そもそもなぜ不登校になったのかは、いまでもよくわかりません。学校に対して意見や疑問があっても、波風立てることを嫌って自分のなかに溜め込む性格だったので、ストレスが限界に達したのかもしれません。いまではひっくるめて「水が合わなかったんだろう」と思うことにしていますが、小学4年生の私にはそれを説明できる語彙はありませんでした。そして、だいたいそんな理由で学校を休んでいいはずがないとさえ思っていたのでしょう。

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