3月は菜の花が美しい季節である。とりわけ河川敷に流れるように咲く菜の花の景色は見事である。菜の花は油菜とも呼ばれ、電灯のない時代には、種子を搾って灯火として利用された。

 司馬遼太郎の小説『菜の花の沖』には、江戸時代後期の回船業者、高田屋嘉平が主人公として登場する。嘉平の生まれた淡路島は、菜の花が大量に栽培され、そこで取れた菜の花が、対岸の兵庫で菜種油に加工するため、搾油業者に送られ、菜種油を北前船で諸国へ運んで取引をするという回船業が栄えた。

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