不登校新聞

377号 (2014.1.1)

2013年の「児童虐待」をふり返る

2014年01月03日 11:45 by kito-shin
2014年01月03日 11:45 by kito-shin


 厚労省によると、12年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は6万6807件。統計を開始した90年の1101件の60倍、過去最多となった。年間約100人の子どもが虐待死にいたり、親から離れて児童福祉施設や里親の家庭で生活する子どもは約4万7000人にのぼる。

 「日本子ども家庭総合研究所」のまとめによると、子どもの虐待に対応する児童相談所などの機関の費用や児童福祉施設の費用(直接費用)と、虐待の影響が長期的にもたらす生産性の低下や生活保護費、自殺による損失、精神疾患による医療費、反社会的行為による社会の負担(間接費用)を推計すると、虐待による社会的損失は合計1兆5336億円になると試算した。

 家庭への福祉的援助による虐待防止や虐待を受けた子どもの回復と自立支援によって、こうした悪循環を絶つことは、大きな社会的損失を防ぐことができるのだろう。

 子どもの人権に取り組む弁護士らがかかわる子どもの権利基盤型社会的養護というべき子どものシェルターや自立援助ホーム、ステップハウスなどは、13年に札幌、和歌山を加えて10団体に広がりを見せているのは明るいニュースと言えよう。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「不登校の要因はいじめ」子どもと教員、認識差に6倍の開き

624号 2024/4/15

東京都で2万円、富山県で1万5千円 全国の自治体で広がるフリースクール利用料の補助のいま

622号 2024/3/15

「不登校のきっかけは先生」、「不登校で家庭の支出が増大」約2800名へのアンケートで見えてきた当事者の新たなニーズ

619号 2024/2/1

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…