不登校新聞

279号(2009.12.1)

児童精神科医 門眞一郎さんに聞く

2014年01月15日 15:02 by 匿名
2014年01月15日 15:02 by 匿名


 今回、お話をうかがったのは児童精神科医の門眞一郎さん。門さんには児童精神科になった経緯について、不登校への考えについて、総会会長を務めた第50回日本児童青年精神医学会について、うかがった。

――いつごろから医者を目指されたのでしょうか?
 父親が内科医で開業医をしていたんです。私の家は広島市内といっても端っこの田舎町で、そういう町の開業医の長男ですからね。当然、まわりからは「跡を継ぐものだ」と言われて育ってきました。もちろん、悪い職業ではないので、いずれはという気持ちはずっとありました。

 ただ、父親は一度も、「跡を継げ」なんて言わなかったですね。父親は変わった人で、当時ではめずらしく、PTA会長や町内会長、それにスポーツ少年団の団長までしていました。というのも「治療より予防」という意識が強かったようです。よくNHK教育の健康番組を録画して、診療が終わってからガリ版でテキストをつくって、日曜日に近所の人を集めて勉強会を開いていました。

 そういうことをずっと続けていたんです。開業医としては一銭もお金になりませんが、「本当に健康を考えたら、どう予防するかだ」とよく聞かされていたので、それはいまでも影響を受けています。

――なぜ医者のなかでも児童精神科医になろうと?
 精神科ってのは教科書が薄いんですよ(笑)。

 内科の教科書なんて、ごつい教科書が上・中・下とそろってる(笑)。

 まあ、それは冗談ですが、高校のときから哲学に興味があったんです。たいしてわかりもしないのに、哲学の本をかじってエエカッコしてました(笑)。それに当時は、実存哲学・実存主義の本がよく出ていたり、京都大学の哲学科に伝統があったり、そういう時代でもありました。

 医者の勉強はあとでやればいい

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