忘れられないのは3年前の年末会見で語られた総理大臣のことばです。防衛省誕生と初の教育基本法改正が決まった国会閉幕後、日本政府の責任者は「民主主義の成熟」を語りました。深く長い国会審議のすえ、改正されることになった教育基本法は、どこに問題があり、どのような根拠によってどう変えられることになったのか、その提案は国会議員の誰がしたのか、不明瞭なかたちで改正されてしまったと思います。

 戦争が終わって初めて政治や宗教や思想の自由が憲法において認められました。教育勅語が廃止され、教育基本法ではそれらの自由を認めるようになりました。正確には憲法に先駆けて教育基本法は施行されました。教育学者の大田堯さんは、その11条からなるかつての教育基本法がチェックリストの性格を持ち、教育条件整備法としての役割を担っていた、と語っていました。

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