
「不登校を考える第20回全国大会」で行なわれたスペシャルシンポジウム「不登校 これまで これから」。登壇した内田良子さん、山下英三郎さん、喜多明人さんの講演録を掲載する。
◎不登校 これまで これから
私が子どもの権利条約の普及活動を始めた1990年代は、子どもの自発的な意思でみずからの権利を自覚し、これを生活に活かす活動を展開していくことができた時期でした。
埼玉県の高校生が「体罰抵抗法」というのを学園祭で発表したり、大阪府の中学生が「学校に不満を持つ子どもの会」というものをつくり、校則反対運動を当時の文部大臣を巻き込んで展開し、丸刈り校則をやめさせたりしました。
その一方で、「子どもの権利」ということそのものの実感が子どもたちになかなか浸透していかないという現実も肌で感じていました。とくに「学校はメインじゃない」と言って、学校改善に子どもの権利を活用することに否定的な生徒もいた。不登校がとくに増加していった90年代は、子どもたちにとって「学校」は絶対性を失い、相対的な価値に転換した時期と重なっています。
圓年代に入ると、子どもたちの活動の熱というのは目に見えて停滞していき、社会に向けたアピールなどはほとんど見られなくなりました。
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