私が傍聴したのは、ある中国人男性が第三者名義の携帯電話を複数回転売したという罪に問われた裁判でした。その転売した携帯電話が振り込め詐欺に使われたことをきっかけに、被告人の違法行為が明るみとなったのです。
検察官と被告の弁護人のやりとりにおいて私がもっとも気になったのは、検察官の発言でした。被告人の罪に対し、1年6カ月の刑罰を求めました。「ずいぶん重いなぁ」と感じたのですが、その理由の一つとして「日本における外国人の犯罪が増えていること」を挙げていました。つまり、「みせしめ」の意味で、刑を重くすべきだというのです。
622号 2024/3/15
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