今回のテーマは、「防衛」です。生き物はみな、生命を守るためにさまざまな防衛力を身につけながら育っていきます。この防衛を科学的に分析することで、大きく発展してきたのが西洋医学です。
とりわけ重要だったのは、1800年代に顕微鏡の開発に成功したことです。これにより、細菌やウィルスといった「人間の目には見えない敵」を確認できるようになりました。これらの見えない外敵の侵入から、どう生命を防衛するかという研究は、それ以後急速に進歩します。
その結果、ワクチンが開発され、やがて抗生物質という人類史上最強の薬が誕生することになったのは、1940年代のことでした。精神医学も、医学なので、こういった考え方で精神の防衛を直していけると考えています。
ところで、生命が地球上に誕生したのは、35億年以上前の深海だと言われています。当時、生命を脅かす敵といえば、潮流の変動や海中の噴火など、大自然の変化が中心でした。
読者コメント