連載「渡辺位さんの言葉」


 親ゼミで書き留めた私のメモにこんな一文がありました。
 
「自分が子どもをどう見るか、自分の側の問題。くり返し自分を点検してみる」
「自分の存在のありようが相手を否定していることがある」
「子どもといっしょに生きている大人が、どう生きているか」
 
 このように先生は折に触れ、自己検証が大事だと仰っていました。当時、私が悩んでいたのは、娘に「今度の休日はどこに行きたい?」と聞くと、娘は「お母さんのお腹の中」と答えていたことです。その言葉を聞いて不安を感じていました。
 
 ある日の親ゼミで、あるお母さんが学校に行くことをバスに乗ることに例えて話されていました。いままでは「常識や社会の枠組みという『バス』に乗っていた、その『バス』から降りるのには不安や抵抗もあります」という趣旨のお話でした。そんなお話を聞いて思ったのが、「お母さんのお腹の中に」と言う娘の本心は、身の置きどころがないような漠然とした不安から「お母さんに守られて安心したい」「いまのお母さんでは安心できない」と言っているのではないかということでした。

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