不登校新聞

385号 (2014.5.1)

記事 不登校からの生き方サンプル

2014年04月25日 17:03 by kito-shin
2014年04月25日 17:03 by kito-shin

対談のようす

動画はこちら

 今号よりひきこもり経験者であり、「こわれ者の祭典」代表の月乃光司さんプロデュースによる対談企画を紙面と動画で配信していく(不定期)。今回は第1回目ということもあり、そもそも月乃さんはどんな人なのかをうかがった。

石井志昂(以下・石井) それでは月乃光司さんプロデュース企画の第一弾を始めたいと思います。まずは月乃さんにインタビューする田子つぐみから自己紹介をお願いします。

田子つぐみ(以下・田子) はい。子ども若者編集部・摂食障がい担当の田子つぐみです。



(たご・つぐみ)1991年生まれ。小学校1年生で不登校。ホームシューレに入会し、ほぼ家を中心に過ごす。2009年から本紙子ども若者編集部に参加。


石井 え? そんな担当、決まってないでしょ(笑)

田子 あ、そうだった(笑)。えー、いま22歳で、小学校1年生から不登校です。子ども若者編集部には5年ぐらい前から関わっています。では、月乃さん今日はよろしくお願いします。

月乃光司(以下・月乃) こちらこそよろしくお願いします。いま49歳です(笑)。私も高校から不登校でした。


(つきの・こうじ)1965年生まれ。新潟県在住。作家、心身障害者のパフォーマンス集団「こわれ者の祭典」代表、会社員。現在はNHK・Eテレ「ハートをつなごう」出演中。


田子 では、そういう経緯もあって、本紙で月乃さんご自身が企画がしていきたいと?

月乃 そうですね、私も不登校・ひきこもり経験者として取材をいただいたりしたので、そのつながりもあって、ということです。

田子 不登校のきっかけはなんだったのでしょうか。

月乃 中学校まではふつうに学校に通っていましたが、高校に入ってから容姿コンプレックス、醜形恐怖が出てしまったんです。私は人から比べるとやや唇が厚いのですが、そのことを友だちからからかわれた、と。からかわれたときは何も思っていませんでしたが、高校生のある日、朝、鏡を見たら自分の唇がすごく厚く見えた。もう唇が気になって人と話せない、それが最初でした。

田子 醜形恐怖は摂食障害にもつながるところがありますよね。

月乃 そうですね、同じ神経症の一種だと思います。

田子 月乃さんは「こわれ者の祭典」を運営されていますが、これはどんなイベントなのでしょうか?
 

生きざまを「見せ物」に

 
月乃 2002年に始めたイベントです。
 
 私は不登校をしたあと、自殺未遂、アルコール依存症、処方薬依存といろんなことがありました。
 
 40歳を迎えようとしたとき、自分が回復した経緯やきっかけ、それと、どうやって生きられるようになったかをエンターテイメントイベントで、みなさんに届けてみよう、と思ったんです。そこで同じように神経症や精神障害など、自分の病気を受け入れていった人たちといっしょに、己の生きざまをメッセージとして伝えるイベントをたちあげました。
 
 イベントでは、私が「アルコール依存症・ひきこもり自慢」と言ってます。ほかにも「摂食障害自慢」とか、「リストカット自慢」とか、そういう人たちもいます。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

第18回 寝屋川教師刺殺事件【下】

232号(2007.12.15)

最終回 家庭内暴力とは何か【下】

232号(2007.12.15)

第232回 不登校と医療

232号(2007.12.15)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…

622号 2024/3/15

「中学校は私にとって戦場でした」と語るのは、作家・森絵都さん。10代に向けた小…