不登校新聞

387号 (2014.6.1)

ひきこもりから5年、“昔の僕”を雇えない

2014年05月30日 15:08 by kito-shin
2014年05月30日 15:08 by kito-shin

石崎森人さん

 「就活」はきらいだ。僕は7年前、学生時代に抑うつ状態で就活をしていた。落とされ続けて精神は破綻。それまでの病気も相まって、ギリギリで決まった就職先も即日退社し、ひきこもることになる……、そんな、いい思い出がない「就活」で、ひょんなことから採用側になった。
 
 僕は現在、家族で経営している造園系ベンチャーに立ち上げから関わっている。創業者の親兄弟に、ひきこもっていた当時に培ったITスキルと、超低給の合わせ技で売り込んで仕事を得たのだ。(社員ではなく別会社に外注というかたちになっている)徐々に仕事の幅を増やし、今年は新卒採用の担当者となったのだった。
 
 今までのやり方を大きく変え、零細企業にしてはそこそこの説明会希望者数になった。難関大学と言われる学生も多く来た。ここから面接をして学生を選んでいく。
 
  しかし、正直愕然としてしまった。説明会の第一印象でほぼ、どの学生を入れるか決まってしまったのだ。
 
 なにせ、立ち居振る舞い、字の上手さ、経歴、目の輝 きがまるでちがう。これが世間の言う「優秀な学生」というのか……。
 
 その第一印象は面接や現場体験を通しても変わらなかった。優秀な学生を前に、自身の劣等生コンプレックスが刺激される悔しい気持ちと、うちを選んでくれているうれしさで複雑な気持ちになった。
 

女子学生の涙に僕は無力だった


 だけど、どうしても気にせずにはいられなかったのは、選考過程で考慮に入らない学生たちだった。それは僕の過去の姿であり、今だに社会人として不安定な今の僕でもある。
 
  こんなことがあった。ある女子学生の出身校が定時制高校だったので、理由を聞いたら、突如、感極まったように涙を流し始めた。そして、中学時代にいじめられて不登校になったこと、何度も挫けそうになったこと。それでもお母さんの支えで元気になり、なんとか頑張ってここまで生きてきたことを話した。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「あいつと関わるな」 僕の一言で友だちの態度が一変 中2で不登校した帰国子女の体験談

595号 2023/2/1

「この人に会えたら変われる気がした」7年ひきこもりした男性が憧れの人に出会うまで

595号 2023/2/1

優等生の僕に起きた異変 突然の体の不調は「もう限界」のサイン

594号 2023/1/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

595号 2023/2/1

「寄り添う」とは、いっしょに考えること。「スカートをはいた大学教授」としてSN…

594号 2023/1/15

進学について、不登校のわが子と話すのが難しいと感じている親御さんもいらっしゃる…

593号 2023/1/1

在籍者の8割が不登校経験者という立花高等学校で校長を務める齋藤眞人さん。不登校…