全国各地には、さまざまな親の会がある。本紙も親の会のつながりを母体にして創刊された。その一方、親の会への参加者が年々減っているなどの指摘もある。そこで、親の会の意義や具体的な活動など、もう一度みつめなおしていくため、「親の会」の活動をいくつか紹介していく。今回は神奈川県にある親の会「Tea Time」を取り上げる。
親の会「Tea Time」が発足したのは2006年6月。偶然知り合った田坂由紀子さん、Kさん、Sさんの3人が「自分たちの居場所がほしい」と考えたのがきっかけだった。
活動は毎月第4土曜日。川崎市の男女共同参画センターの一室を借りて行なわれる。各々で円をつくって座布団を敷き、持ち寄ったお菓子を広げ、文字通り膝をつき合わせるなかで始まる。
取材当日の参加者は8人。まず行なわれるのは情報交換。不登校やひきこもり、進路に関する講演会などのチラシや著著など、輪の中心にさまざまに置きながら話す。そうした情報共有を経て、子どもの現状や学校とののやりとりでの悩みなど、参加者各自の近況報告に移る。
話の途中、一人の母親が涙で声を詰まらせた。しかし、誰も何も言葉を発さない。放っておいているのではない。待っているのだ。誰かに促されて話すのではなく、自分のペースで自分の言葉で、今の気持ちを紡いでいくことを「Tea Time」では大切にしていると感じられる。
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