今回、NPO団体として紹介するのはBalleNoah(バレエノア)。今春、女子高生ダンサー11名が「いじめ」をテーマに公演を行ない、注目を集めた。バレエノア理事の瀬山紀子さんにその活動内容などをうかがった。
バレエノアは、高崎沼田バレエスタヂオがベースとなり、96年に発足した団体。2004年にNPO法人資格が認証され、バレエやダンスの出張公演や表現のためのワークショップを開催している。出張公演では、幼稚園、保育園、小中学校、小児病院、老人施設、障がい者施設などに足を運んだ。必然、観客にはいろんな人がいる。公演直前まで軍歌を熱唱し続けるおじいさんや視覚や聴覚がない障がい者……、なかでも瀬山さんの心に残っているのは小児病院を訪れたときだ。
「無菌状態の病室に入ったときは衝撃的でしたね。いくつもいくつも扉を開けた奧の病室には、本当に小さな子どもたちが何人も入院していました。私たちが入ると、ある女の子が近づいてきて、ぐっと睨むような険しい表情で、いきなり私の胸を掴んだんです」。
この女の子がどうしてこういう行動に出たのかわからないが、瀬山さんの胸には、はげしく迫るものがあった。
既存のバレエ公演という枠にとらわれず、新たなつながりを生もうとすることをバレエノアでは目指している。
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