不登校新聞

393号 (2014.9.1)

書籍紹介『よい親でなくとも子は育つ』

2014年08月29日 15:56 by kito-shin
2014年08月29日 15:56 by kito-shin

『よい親でなくとも子は育つ~83歳、小児科医の太鼓判』
著者:毛利子来/出版:ジャパンマシニスト社(℡:0120-965-344)/1300円(税別)


 よい親でなくとも子は育つ――。そんな言葉を投げかけてもらえたら、親の不安はどれだけ和らぐことか。
 
 私自身、若輩ながら、不登校に関わりはじめて10年あまり。本紙に関わる前には、公立中学校で相談員業務に就いていました。この間、不登校の子どもを持つ親の話を多く聞いてきました。
 
 いつも思うのですが、親はみな、すごくがんばっているんです。とくに、お母さんは本を読み、講演会にも足繁く通います。にもかかわらず、相談機関に出向いた際、どれだけの専門家がこうした母親の労をねぎらってくれるでしょう。むしろ、「甘やかしているから」「愛情不足が原因」など、まるで子育てをまちがえたかのような批判を浴びせることもめずらしくありません。

 そんなとき、ぜひ本書を手に取っていただきたいのです。著者は御年83歳の小児科医・毛利子来さん。長年の専門的経験から紡ぎ出された「子育て10の知恵」は非常に興味深い指摘であると同時に、「子どもを一番知っているのは親」「親のほうがたしかな診断をすることもある」と、医師の立場からはっきり言い切ってしまうところに、私なんぞは強く共感してしまうのです。
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