不登校新聞

246号(2008.7.15)

第6回 病気も苦労も、わかち合うもの

2014年09月04日 14:36 by 匿名
2014年09月04日 14:36 by 匿名

連載「日々発見」


 「当事者研究」にとり組んでいるMくんから携帯に電話が入りました。

 「向谷地さん!  新しい技を見つけたよ!」Mくんは、この欄でも何度か紹介している統合失調症をかかえる青年で、人の視線が怖く、周囲の生活音が自分を責める幻聴にまみれて聞こえ、その圧迫の中でひきこもり状態の中で、ときおり暴力的になり、その結果、薬の多剤多量に陥っていた青年です。

 その彼が、「当事者研究」――自分のかかえる生きづらさのメカニズムや対処方法を、仲間とたがいに研究しあう活動――にとり組むことによって、思いもかけず、新しい自分の助け方を見出し、必要以上の薬に頼らない暮らし方を見出すことによってひきこもりや爆発から脱却でき、主治医も彼の回復ぶりに驚いているという逸材です。その彼が発見した新しい自分の助け方の方法とは、電車に乗っているときに、周囲の人の目線が気になったとき、手帳を取り出して起きている苦労をメモすると楽になることを発見したというのです。携帯電話のメモ機能を使って書いても有効ではないかというのです。
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