不登校新聞

246号(2008.7.15)

第246回 金属バットと縄跳びのヒモで

2014年09月04日 15:11 by 匿名
2014年09月04日 15:11 by 匿名


連載「不登校の歴史」


 96年11月6日、中3の不登校の少年が、父親の金属バットで殺される事件がおこった。父親も母親もその子の家庭内暴力で悩んでいた。

 事件のおこる10カ月前、中2の3学期、クリニックから処方された睡眠薬を一度に飲んで裸同然で家のなかに倒れたことや、薬を飲んでも一向に暴力がおさまらないことがあり、両親は、通院をやめている。

 こんな状態が続いても、父親は、キャッチボールをやりつつ「高校へ行くのか」という話を切り出している。この話がどんなにつらいか、父親には分かっていない、ということだろうか。また、進路について「音楽方面に行きたい」と父は聞いていたので「音楽に行きたいなら音楽の専門学校に行くよう、がんばれ」とも言ってる。この進路の話が、つらくて暴力が出るしかないと思われるが、父親は、暴力を受けながらも必死で、高校か専門学校に行くよう伝えているのである。

 中3になり、5月修学旅行参加を迷っていた少年は、当日の朝、友人の迎えで結局参加。校長が「大変喜ばしい」と学校だよりに書いたという。

 6月。東京シューレの親ゼミにも、ちょっとかじる感じで顔を出されたが、中途半端な参加だったのが残念でたまらない。
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