中学3年生のときに不登校だった生徒の5年後を追った追跡調査(不登校生徒に関する追跡調査研究会/座長・森田洋司氏)の結果が文科省から発表された。
 
 不登校経験者1604人のアンケート結果のうち、私がもっとも興味深かったのは「不登校継続の理由」。「いじめ」や「先生との関係」など15項目から不登校経験者がもっとも多く選んだのは「無気力でなんとなく学校へ行かなかったため」(44・4%/複数回答)だった。
 
 つまり、不登校をした本人ではなく、校長や教員が「不登校生徒の不登校継続理由」を選んだ場合も、「無気力」はかならず上位に食い込んでくる。(「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」)
 
 以前の取材で、小学校教員は「よく聞くのは、そもそも学校に行く気がない人が多い」とたしかに答えていたし、私の友人(32歳男性と17歳女性)も自分の不登校理由を「無気力だ」と説明していた。
 
 17歳女性にあらためて真意を聞くと「クラスの立ち位置もあるし、勉強も遅れているし、あそこには戻れる気がしなかった」と語り出した。その後、いかに学校生活がたいへんだったかを聞かされ続けたとき、マラソンランナー・円谷幸吉氏の遺書が頭に浮かんだ。
 
 「父上様母上様 幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません」。
 
 円谷幸吉氏は、64年の東京五輪で銅メダルを獲り、国中から次期五輪での金メダルを期待されていた。

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