「不登校を理由に相手の親から結婚を断られた」。本紙10周年集会のアンケートに寄せられた言葉に、そういう趣旨のものがあった。不登校が社会問題化してから20年以上が経ち、92年に文科省が「誰にでも起こりうる」と認識転換をしてから、16年以上が経つ。それでもなお、こういう声が寄せられたことに編集部は驚き、声を寄せてもらった唐嶋道子さん(仮名)にお話をうかがった。
唐嶋さんは現在29歳で東京都在住。医療事務の仕事をしている際に知り合った男性と付き合い、本人たちのあいだで結婚を決めた。
しかし、男性側の父親が結婚に反対。反対理由は、中学校時代の不登校である。「うちにはふさわしくない」と言っていたそうだ。
そもそもこの家庭は「医師一家」で、父親は代々の開業医を営んでいる。男性自身も医師である。男性は父親を熱心に説得し続けたが、父親が病に倒れたことを機に結婚はもちろん、お付き合いの話も雲散霧消した。2年前の出来事である。
読者コメント