それは96年11月6日に起こった。日ごろから家庭内暴力をふるっていた中3の男の子に対し、この日の明け方、父親は寝ていた男の子を金属バットで殴り殺害した。2000年を境に親が子を殺すという事件は、しばしば起きているが、この事件はその"はしり”と言える。
この男の子をAくんとする。Aくんは両親共働きのため、生後3カ月から保育園に入るが、人見知りも強く、デリケートで、保育園に「行きたくない」とよく泣いたそうだ。小学校に入学しても、なかなか洋服は着ないし、ランドセルは背負わないし、毎日のように学校に行きたくない理由をいろいろと父に出していた。しかし父は、それを説得し、「学校に行こう」と言う。Aくんは玄関のドアにしがみついて抵抗していた。
それをひきずるように学校まで連れて行き、校門で待っている先生がその先を連れて校内に入る、という無理な登校を3カ月間もやっていた。つまり1日も休めなかった。小学校を卒業するとき、皆勤賞をもらった、とマスコミは報道している。
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