不登校新聞

243号(2008.6.1)

第3回 “病”の絆

2014年09月25日 14:35 by 匿名
2014年09月25日 14:35 by 匿名


連載「日々発見」


 べてるの家では、6年前から「当事者研究」という活動がはじまっています。この活動は、さまざまな統合失調症をはじめとするさまざまな生きづらさをかかえながら地域で暮らす当事者の活動のなかから生まれた暮らし方のプログラムです。特徴は、生活に密着した苦労を「テーマ」として取り上げ、家族や支援者と連携しながら「研究」し、当事者ならではのユニークな生き方や苦労への対処法を見出して、現実の生活のなかに活かしていこうとするところにあります。この活動は、徐々に広がりをみせ、全国はもとより、おとなりの韓国でも、ソーシャルワーカーが中心になって導入しようと準備をはじめています。道内では、浦河はもちろんのこと、苫小牧市や札幌市でも定例的に当事者研究に取り組むようになりました。

 先日も札幌で交流会が持たれ、40人近くの関係者が集う盛況ぶりでした。その集まりの常連で、統合失調症をかかえながら「幻聴さん依存からの脱却の研究」に取り組んでいるA子さんは、毎回、司会進行もこなすベテランです。そのA子さんが、いつになく表情が冴えず、はじまると同時に「向谷地さん、今日は、幻聴がひどいので帰らせていただきます」といって突然帰ってしまうというハプニングがありました。
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