日本文化の隆盛が生んだオタク。アニメ、マンガ、鉄道、旅行、グルメ、ファッションなどなど、その層は広い。オタク研究の第一人者が岡田斗司夫氏。氏の近著が『オタクはすでに死んでいる』(新潮新書)。タイトルからして穏やかではない。
氏曰く、最近のオタクに変化が感じられる。その変化は、オタクが好きな商品を購入するだけの「消費者」になってしまっていること。オタクとは好きで好きでたまらくて、「それを抑えきれずに人に伝えてしまう人」なのである。そして、世間の厳しい風評にも、自身で培った自負心と社会性でガンと立ちはだかる「貴族」なのだ、と主張した。
貴族がいかに消費者に堕ちてしまったのか。本書は日本社会と国民性の変容があったと理論づけている。自然、指摘はオタクにとどまらない。すでに私は本書を「今年一番の名著」だと予言したい。なので結論部分は拝読をいただきたいのだ。
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