「ねじれ国会」。メディアがこぞって使うこの物言いが、ずっと腑に落ちない。「ねじれ」とは、関係性において好ましい状態を指す言葉としては一般的に用いられないからだ。これでは、衆参両院で与野党勢力が異なる状態は好ましくないという印象を与えかねない。
さきの参院選で野党が大勝したことは、1つの民意である。民意がこの現況を生みだしたのだ。メディアはなぜ、「ねじれ」という表現を用いるのか。それは誰から見て「ねじれ」ていると言いたいのか。「ねじれ」ていることにより、不都合を感じているのは、はたして誰か。私自身、小さなメディアに関わる者として、言葉の一つひとつにも、つねに気を払いたい。(東京編集局・小熊広宣)
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