◎新学年も一ヶ月が過ぎて、五月の初めというのは、子どもの行きしぶり、不登校が目立ち始める時期ですね。今日は、わが子が学校に行かなくなった最初のころをふりかえって、みなさんが体験されたことをお話し願いたいのです。
里中:うちの場合が小四の五月の連休あけ。この企画にぴったり(笑い)。「行くのがいや」というよりも、「うーっ」って感じで動けなくなった。腹痛、吐き気、微熱、そういう症状が出て、顔面蒼白、能面みたい。笑っているようで、笑ってない。ぞっとしました。
そこでやっと、これほど疲れ果てていたんだと気づいた。とにかく、学校へ行く状態じゃない。もう直感でわかりました。気持ちが凍っている状態だから、とりあえずリラックスさせたいと。
それまで私もけっこう教育ママで、あれこれうるさかったんですが、これはいけない、とにかく、解放してあげたい、何かしてあげたいと思ってもどうしていいかわからない。最初はすごいパニック。娘自身も、少し休んで楽になると学校に行こうとする。「休んでいい」とは思えない。「昼から行くから」「明日は行くから」って。でも玄関で動けなくなる。そんなのが半年くらい。その時期がきつかったですね。
◎そうなるまでにどんなことがあったんでしょう?
里中:あとで思い出すと、一年のときからいろいろあったんですね。たとえば宿題なんか、すごく時間がかかる。毎日プリントを持ち帰ってやるんですが、まちがいを消していてプリントを破いてしまって、すごく泣いたことがあった。教室でだれかがプリントを破ってしまって先生にものすごく怒られたのを覚えていて、「ぜったいに破ったらあかんかったのに」っていう、そんな恐怖心が積み重なってたんでしょうね。
625号 2024/5/1
「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…
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