連載「不登校の歴史」
本紙不登校新聞の創刊は、1998年5月1日であるが、準備は前年の9月からであった。前号に創刊のきっかけになった事件を述べたが、その1~2年前から、不登校について自分たちのメディアがほしい、と思っていた。
というのも、マスメディアが取材してくれるのは、ありがたいことではあったから、なるべく断らないように取材を受けてきたが、たいてい、結果的にニュアンスが何かちがっていて、違和感をもつことが多かった。ひどい場合には、子どもが裏切られた気持ちになったり、言わない言葉を言ったかのようにコメントされ、こちらが抗議を受けたこともあった。そういう問題がどうして生じるか考えていくと、やはり、善意の記者であっても、一回の取材で理解してもらうのは難しく、背景にあるのは、社会通念であることが多かった。自分たちがメディアをもち当事者の視点を発信したい、まだまだ孤立している親子に、情報や経験を届けたい、と思った。
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