不登校新聞

239号(2008.4.1)

最終回 可能性に目を向けるサポーター

2014年10月29日 15:12 by 匿名
2014年10月29日 15:12 by 匿名


連載「スクールソーシャルワーク」


 前回、一人ひとりを尊重することをスクールソーシャルワーカー(以下・SSW)は大切にしている、と述べたけど、もうひとつ重要な考え方があるんだ。それは、個人の可能性に焦点を当てるということ。僕たちは、何か問題、つまり悩みごとや人とのトラブルを抱えると、いつも自分の欠点などマイナスの部分を指摘されて、そこを直すように言われたり、場合によっては専門家に治療するよう言われたりするよね。

 でも、SSWでは人が持っている可能性に眼を向けて、それを発揮できるようにサポートするんだ。可能性があるといっても、僕たちは無限の力を持っているわけじゃない。だけど、自分の可能性を低く評価していることが多いよね。とくに、困難な状態にあるときには自信を失ってしまっていて、自分には何もできないなんて思いこんだりすると思うんだ。

 そんなときにそばにいて、自分では気づいていない力を引き出して伝えるのがSSWの役割なんだ。もちろん、ただ言葉で「君にはできる」とか「やればできる」なんて単純に伝えればいいってもんじゃない。いろんな関わり方を通して、自分の力に対する信頼感を回復するように支えるんだ。
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