重度の知的障害を持つ男性(56歳)が違法な逮捕と捜査で精神的な苦痛を受けたとして国と栃木県を相手取り慰謝料を求めた国家賠償訴訟の判決が2月28日、宇都宮地裁であった。宇都宮地裁(福島節男・裁判長)は、国と県に対し、100万円の損害賠償を命じた。
弁護団によると2004年8月、男性が中学生に対する軽微な暴行容疑で宇都宮東警察署に逮捕され、警察からの取調べのなかで、未解決の連続強盗事件の犯行を自白したとして再逮捕され、起訴された。裁判で男性は検察から懲役7年の求刑を受けたが、判決直前になって真犯人が現れたため、05年3月の判決では無罪となった。このため、弁護団は人権侵害救済申立のほか、事件の背景を追及するため、国賠訴訟を行なっていた。
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