不登校新聞

340号(2012.6.15)

小さな学校をつくれるように

2013年04月23日 13:44 by kito-shin
2013年04月23日 13:44 by kito-shin

東海大学教授 小貫大輔さんに聞く 

 今回お話をうかがったのは、東海大学教授の小貫大輔さん。小貫さんは国内外で長年、ブラジル学校やシュタイナー学校など、オルタナティブスクールへの支援活動に取り組んできた。教育の多様性がなぜ必要なのか。ブラジル学校の現状などを交えつつ、お話いただいた。

――近年、ブラジル学校に通う子どもが減っていることについて、どのような背景があるのでしょうか?
 おもに2つの理由が挙げられます。1つは2008年のリーマン・ショックに端を発する不況です。親の失業により、月謝を払えなくなるケースが増えています。もう1つが3・11です。震災と原発の影響で10万人がブラジルに帰国し、日本で暮らす在日ブラジル人は以前の3分の2になりました。かつては1万人と言われたブラジル学校の在校生数も、現在ではおよそ5000人に減りました。
 
 そうしたなか、喫緊の問題は、多くのブラジル学校が厳しい経営状況に直面しているということです。ブラジル学校は全国に70校ほどありますが、ほとんどがフリースクールと同様に「私塾」扱いであり、運営資金を保護者が納める月謝で賄っています。70校のうち各種学校に認定されて公的支援を受けられているのは14校。それも正規の学校とは程遠い、わずかな支援です。
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