作家やマンガ家など、クリエイティブな仕事に就きたいというニートやフリーター、元ひきこもりの若者を対象に支援を続けている一風変わったNPOがある。「コトバノアトリエ」だ。今回はその主宰者である山本繁さんに、ニート支援についての考え、今後の展望などについてうかがった。
山本さんは大学を卒業した翌日、「コトバノアトリエ」を立ち上げた。当初は中・高校生を対象とした小説教室を開いていた。その後、いわゆる「ニート」と呼ばれる若者たちへの支援へと、その活動の幅は徐々に拡がっていった。きっかけは、ニート支援の現状に対する違和感だった。
「ニート問題の一つに、『イスの数が足りない』ということがあります。ニート支援をするNPOが増えようとも、実際の就職先が増えなければ意味がないわけです。そのなかで、日本のニート支援の矛先は、誤解を恐れずに言えば農業、工業、IT、福祉に特化されてきました。それが悪いということではなく、作家やマンガ家など、人が就きたい職種へのニーズってもっと多様なんじゃないかと思ったんです。そうした若者のやりたいことへの支援を行なうNPOが少ないなら、私たちでやろうと思い立ったわけです」。
読者コメント