連載「不登校の歴史」
登校拒否を考える全国ネットワークがまとめた「国連子どもの権利条約NGOカウンターレポート」は、政府が提出したものと異なり子どもたちの現実が如実に表現されている。発行は96年11月末日であった。
子どもは不登校に「なるまで」と「なってから」で、二重の人権侵害を受けているという指摘がされた。前回に引き続き「学校場面での人権侵害」では、成績・評価でも不利益を被っている点が述べられた。不登校だと学校では学力がわからないのに、子どもは最低評価を受け、それが内申書に記され、高校受験に不利になっていく。また、進級や卒業についても、いやがらせや不利な決定が行なわれた。
Ⅲ「教育行政」……文部省は92年、登校拒否を「子ども個人の性格や親の育て方の問題」という見方を改め、「誰にでも起こる登校拒否」と認識転換をしたものの、真の意図は「子どもの尊重」ではなく、学校復帰を目的とし、専門機関・学校・家庭が連携することによって巧妙に登校させようとする状況があると指摘した。不登校の子を「情緒障害児」「社会不適応児」などと呼び、苦しんでいる親子に「出席督促状」を出しているケースもあった。
読者コメント