雨宮処凛さんへの取材のようす
私は「自由の森学園」というオルタナティブな学校を卒業しその後、数年間ずっと自分の「所在なさ」を感じてきた。家にも大学にもどこにも、自分が居ていい場所、存在することが当たり前であるような場所はなかった。「なにかおもしろいこと、充足できる場所はないか」と砂漠にオアシスを求めるようにさまよった。別の大学に潜り込んだり、片っ端から講演会に出かけたり。傍からみれば「インテリ・リア充」っぽく見えたかもしれないが、必死だった。私は自分のアイデンティティーを自分自身でつくり出すことができない。「誰か」や「なにか」に自分の一部を仮託して、そこで充足感を得なければ生きていけない。
結婚し、33歳になっても、基本的には変わらない。いつもなにかに飢えている。アニメ、ゲーム、文芸などのサブカルの最新作を追い続け、「新しいもの」を認知し続けたい。現状に満足できない。同僚たちにはそれを感じない。こんなに飢えているのは私だけなのか?
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