不登校新聞

399号 2014/12/1

ひきこもり、各党の政策は? 衆院選14

2016年06月27日 19:26 by kito-shin
2016年06月27日 19:26 by kito-shin



【自民党】
 2009年度から始まった厚生労働省の「ひきこもり対策推進事業」を推進し、ひきこもりの相談やひきこもりサポーター養成研修・派遣の一層の充実を図っていきます。
 
 また、ドロップアウト予防策として予備軍に働きかける「アウトリーチ」を強化し、教育機関と地域若者サポートステーションの連携や、中退者等に関する情報の共有を進めるとともに、就労に向けた幅広い相談に応じる体制を整備し、ドロップアウトの初期段階への集中的な支援を行ないます。そのため自民党が中心となってキャリア教育推進法案(議員立法)の次期通常国会での成立を目指しています。さらに次期通常国会では子どもの農業体験を推進する「子供元気法案」(通称)の成立を自民党が中心となって目指しており、子どもが自然を体験することでひきこもり予防につなげたいと考えています。

【公明党】
 ひきこもりは、いじめなどさまざまな要因からなるものと思われます。
 
 ひきこもり支援については、早期発見や相談事業などの役割を担う「ひきこもり地域センター」が全国で56カ所設置されるとともに、ひきこもりの経験者を含む「ひきこもりサポーター養成研修事業」が始まったところで、ひきこもりの人に寄り添った、よりきめ細かい支援を促進すべきと考えます。
 
 また、ひきこもりが長期にわたる若者のの就労に対して、社会的な自立に向けたサポートを含む「中間的な就労」が可能となる雇用の受け皿づくりも必要です。
 
 あわせて、来年4月に「生活困窮者自立支援法」が施行されることを踏まえ、これまでの支援が各分野でばらばらに実施されているなどの指摘に対して、すべての福祉事務所設置自治体において、地域福祉コーディネーターを配置し、ワンストップで何でも相談できる総合相談窓口の設置などを推進すべきと考えます。
 
【民主党】
 子どもや若者の育成・支援にあたっては、教育、福祉、保健、医療、雇用などほぼあらゆる分野の連携と施策が必要だと考えます。
 
 2010年4月より施行された「子ども・若者育成支援推進法」により、困難を抱え、ひきこもりなどの状況にある若者への支援を行なうための地域ネットワークづくりの推進が図られており、具体的には、各都道府県・指定都市に、本人や家族等からの相談等の支援を行なう「ひきこもり地域支援センター」を整備し、学校や医療機関等と連携し、相談・支援を行なうこととしており、引き続き推進策に取り組みます。

【共産党】
 ひきこもりが今日のように数十万人にも広がった背景には、競争的な教育や不安定雇用の拡大など「弱肉強食の社会」が、人々に挫折感を与え、競争的価値観や自己責任論、貧困などのもとで、そこからの快復を支える人と人とのつながりが希薄にされてきたことがあります。
 
 ひきこもっている方の気持ちや望んでいる社会参加の形を大切にした具体的で専門的な支援が求められています。ひきこもりとその家族を支える児童相談所、保健所、医療機関などの専門機関を拡充するとともに、支援団体への助成をふやし、その経験や知識を生かします。ひきこもり地域支援センターを拡充し、自分から相談に動けない家庭をふくめすべての「ひきこもり」を視野に入れた総合的対策が必要です。同時に根本的な対策として、自民党政治ですすめられた安定的雇用や社会保障の破壊をやめて拡充に方向転換し、憲法25条が保障する「誰でも安心して生きられる」社会を築いていきたいと思います。

【生活の党】
 ひきこもりについては、その原因やケースがきわめて多種多様であり、画一的に有効な解決策はなかなかないのが実情。地道に、それぞれのケースに合わせ、親などが身近で相談ができる体制を構築していくことが重要である。現在、国でも「ひきこもり対策推進事業」や「精神保健福祉センター等における相談事業」などに取り組んでいるが、これらについて、より充実させていくことがまず重要であると考えている。

不登校新聞独自調査 衆院選 各党の不登校・ひきこもり政策は?

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