不登校新聞

232号(2007.12.15)

本質と向きあう生き方を 原一男

2014年12月11日 14:50 by 匿名
2014年12月11日 14:50 by 匿名


 07年12月2日、シューレ大学公開イベント「穴を穿つ~閉塞感のある社会で生きたいように生きる」がブリヂストン美術館ホール(東京)にて行なわれ、150名の参加者がつめかけた。

 映画監督・原一男さんの講演、学生の研究発表、日露の若者によるアニメーション3部作の上映、日露オルタナティブ大学シンポジウムなどのプログラムが行なわれた。そこで今回は、原一男さんの講演抄録を掲載する。

 私が最初に撮ったドキュメンタリー映画は「さよならCP」という作品でした。CPとは、脳性マヒのことです。

 映画を撮る前、私は東京都立光明養護学校というところで介助職員をしていました。当時、脳性マヒの子どもたちが外出することはまれで、学校にも自家用車で通い、校内では車椅子で生活する。卒業後は大人の施設に入所して、新たな生活を始めるというのがほとんどでした。

 そのとき、「彼らは自分の肉体を駆使して、世界と向き合うということがほとんどないのではないか」という違和感をおぼえました。

 そこで、高等部のある子どもに「学校の最寄り駅から1人で街へ出てみないか」と提案しました。1人で外出するどころか、電車にさえ乗ったことがない彼を説得すると、彼は勇気をふりしぼって、駅員に手伝ってもらいながら電車に乗りました。

 障害者問題の本質とは 

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