連載「家庭内暴力」」
家庭内暴力の連載を何回か行なってきた。次を書いていただける方が見つからないので、いったんまとめて区切りをつけ、またとり組んでみたい。連載に協力下さった方々には心からお礼を申し上げたい。家庭内暴力を経験された家族に、それを公表していただくことは大変難しいことである。第一に、すごくつらい体験であり、思い出したくもないし、思い出すと苦しいことである。第二に、人にわかるように書くこと自体が難しいということである。第三に「人に知られるのはイヤだなぁ」という気持ちも働く。それを押して引き受けてくださったのは、本当にありがたいし、頭が下がる。
書いてくださる方を見つけることに困難が伴うことを承知で連載開始に踏み切ったのは、いま、不登校・ひきこもりにからんで、家庭内暴力が増えていると実感したからである。しかも、10年前、20年前と比べ、家庭内暴力の対応がすぐ施設や医療につなげる傾向が強まっている状況がある。私たちは幸い、四半世紀以上前から親の会を通して、家庭内暴力の状況を共有し、対応を考えあい、多くの場合、施設や入院でなく本人が落ち着いてきた、ということを経験している。それらの貴重な経験が、いまの時代にも、もっと親から親へ伝えられていく必要があるのではないか、ということが編集会議で語り合われたのが連載の契機である。
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