文科省は11月15日、06年度の児童生徒の問題行動に関する調査結果を発表しました。注目を集めたのは、いじめに関する調査でした。昨年秋、全国各地でいじめを訴えて命を断つ子どもたちが続き、マスコミが大きく報道しました。ところが05年度のいじめの件数は約2万件で、ここ数年いじめによる自殺が相次いで報道されていたにもかかわらず、いじめに起因した自殺は、学校現場から文科省に報告されていないことが判明しました。
実態と乖離した統計は世論の厳しい批判を浴びたため、文科省は今年から調査方法を変えました。いじめの定義を「当該児童が一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」とし、今までの「一方的に」「継続的に」「相当の苦痛を与えた」などという、統計をとる側の主観的な判断で数が過少申告されやすい表現を削除しました。その結果、いじめ認知件数は12万5000件弱にのぼり、昨年の6・2倍にはねあがりました。都道府県別の統計をみると、熊本県は昨年度の約125倍にはねあがっており、今年の全国のいじめ認知総数の約10%近くに迫る1万1000件です。ところが最少申告の島根県は小・中・高校あわせて125件で熊本県の4%という数値です。
読者コメント