自分の愛するものを勝手にほめちぎる企画「ほめたいんじゃ~!」が2年ぶりに復活。3回目となる今回も、注目してほしい! おもしろかった! 今こそほめてあげたい! と、みなさんのさまざまな思いをご紹介いただいています。今回は「サッカー選手」と「紅茶」をほめたいんじゃ~!
リケルメ"恐竜”という名の王様
私はサッカー選手「リケルメ」をほめたい。
「恐竜」。監督が戦術を考え、それに応じて選手を獲得し、1人の選手に頼ることは、ほぼない現代サッカーにおいて、その流れに逆行する前時代的なスタイルを評してそう呼ばれるサッカー選手がいる。名をリケルメ。
中盤に王様として君臨するガチガチの司令塔である。すべてのパスはリケルメを経由し、すべての選手がリケルメのまわりを衛星のように走り回る。世界最高峰のボールキープ力を持ち、一度ボールを持てば奪われることはほとんどない。10秒近くボールを持つことはざらで、リケルメにボールが渡ったとき、ゲームは一時的に緩慢になる。そして確実に2、3人、視覚的にはさらに多くの選手を引きつけ、前線に芸術的なスルーパスを送る。その瞬間、相手チームの選手は夢から覚めたようになり、成す術はない。
このようなスタイルからチームの戦術はまさにリケルメ自身である必要があり、彼のデキがチームのデキに直接影響する。リケルメがほとんど故障をしないとはいえ強豪クラブになればなるほど数多くの試合をこなさねばならない昨今ではそれだけのリスクを抱えてまでリケルメを獲得しようとするクラブは少ない。
しかし彼をチームの中心にしたとき、そのチームはほかのチームとは別次元の華麗さを発揮するためにファンは多く、彼も今また、アルゼンチン代表というクラブとは異なる環境で最高の輝きを放ち始めている。
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