連載「不登校の歴史」
世界で一番大きな大陸、ユーラシア大陸を端から端まで横断したい、こんなすごい夢が生まれたのは、94年4月、日米フリースクール交流が終わりかけのころだった。そしてそれは、95年の夏休みに実現したのだった。子ども19名、スタッフ4名の計23名が約1カ月、日本海から大西洋まで、国でいえば中国からオランダまで、陸路だけで横断したのである。しかし、それはかんたんなことではなかった。未知のことが次々と起こり、どうしようという困難にいろいろぶつかるが、だからこそ生涯忘れえない冒険旅行ともなった。
最近では、学校の修学旅行で海外渡航もめずらしくないが、スタッフが計画・準備をして引率するのがほとんどであろう。フリースクールは子ども中心でつくるので、そこがまったくちがう。まず、関心のある人たちで実行委員会がつくられ、何をしに行くのか、どんな旅行にしたいかなど、じっくり話しあわれた。いつ行くかは、やはり夏休みがいいということになったものの、どこに行きたいかとなると、めいめいの希望が山ほどあって、絞るのに大変だった。一人ひとり希望地を調べてきて、発表しあい、料理をつくってみたり、その国へ行ったことのある人に話を聞いたり、大使館に問い合わせたり、毎週毎週やることがいっぱいあった。
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