連載「発達障害の息子と歩んだ16年」vol.4
今号は実際に「告知」したときのようすについて、うかがった。
――「告知」というのは、実際どのように行なわれたのでしょうか?
平岩先生はパワーポイントというソフトを使って説明してくれました。
ノートパソコンに文字が書かれたスライドを何枚もつくって、紙芝居のようなかたちで息子に説明してくれて、私と夫はすぐ後ろでそのようすを見ていました。
最初のスライドは、とても特徴的な絵のなかに『宮澤くんのこと/どうしてちがうの?』と書かれた表紙でした。その後は『宮澤くんのよいところ』『宮澤くんはできるけど~これってふつうはできない』『宮澤くんの苦手なところ』と書かれたスライドが続きます。
『よいところ』のスライドには「優しい」「正義感が強い」という性格的なことから、『できるけど』には「長時間集中できる」「記憶力がよい」「キーボードの入力が早い」というような特性に関することまで挙げられていました。
じつは告知前、「両親で息子さんの長所と苦手なところを10個ずつくらい挙げるように」と言われていたので、20個くらい挙げてメールでお伝えしていたんです。それらが整理され、ピックアップされていました。
――そのときのことで、強く印象に残っていることはありますか?
『何かが気になると、ガマンできなくなるのはどうしてか』というスライドが表示されたとき、「ワガママだから? 訓練が足りないから? 自分のせい?」という平岩先生の問いに「ワガママだから」と息子は答えました。勝ち負けにこだわることについても「自分のせいだ」と答えました。
息子の答えを聞きながら、平岩先生は首を横に振り続けました。
そして『どうしてふつうにはできないことができるのに、ほかの子にはできることができないことがある?』と書かれたスライドを読みながら、次のスライドを息子に読ませたんです。
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