第7回「日本フリースクール大会」のシンポジウム抄録を掲載する。フリースクール支援に取り組み始めた行政の動きを学校外の居場所関係者はどう見ているのか。今号は「フリースペースたまりば」代表の西野博之さん。

 私たちは1991年に「フリースペースたまりば」を開設し、2003年に神奈川県川崎市とともに公設民営型の「フリースペースえん」を立ち上げ、運営してきました。そこに昨年10月27日、下村博文文部科学大臣が視察に来られました。市民と行政が協働して居場所をつくってきたこと、ここに大臣視察の意味があるのだろうと私は考えています。
 
 「フリースペースえん」は公設民営で、通うのにお金はかかりません。ここが非常に大切です。というのも、近年現場で感じるのは「貧困」の問題です。経済的な苦しさから、居場所に通う費用を工面できないという声を多く聞くようになりました。
 
 それだけではありません。たとえば、特別支援学級に在籍している子どもが不登校になった場合、適応指導教室では受けいれることができない自治体が多い。それは公費の二重使いになるから、というのがその理由だそうです。また川崎市を例に言いますと、適応指導教室のキャパシティは市内の不登校児童生徒全体の15%程度しかありません。つまり、不登校している大半の子どもの行き場所が公的には用意されていないわけです。こうした従来から山積している課題、昨今の「貧困」という現状などを勘案すると、これは行政課題であると言わざるを得ません。大臣も熱心に改革を訴えられていましたが、何をどう変えるのか。そして「貧困」についてはどのような支援を講じるつもりなのか。そこを見定め、要求すべきことは訴えていきたいと思います。
 
 視察の際、大臣は「『えん』で行なわれている教育は、未来の学校のあり方のモデル・最先端の教育の場になる可能性がある」とおっしゃいました。「これまでの日本の教育は、一つの決まったサイズの制服に合うようにあなたの身体を調節しなさいというものだったが、これからは子ども一人ひとりの身体に合った制服を用意していくべきだ」という大臣のお考えに基づいての発言だと私は理解しています。

この記事は登録読者だけが閲覧可能な内容を含みます。続きを読むにはPublishers IDによる読者登録が必要です。