連載「家庭内暴力」
今、中3の息子は小2のとき、朝ものすごい吐き気で学校へ行けなくなった。なぜこうなったか私はオロオロするばかりだった。息子はその後3年間、食事はほとんど喉を通らず、ガイコツに布をまとったような姿になった。本を読んでも低年齢の体験談が少なく、色々な相談窓口を回っても「ようすを見ましょう」で、「幼児期はどんな育て方をしましたか?」「母子分離不安ですね」と、母親を否定するものが多かった。私の子育ては子どもを支配せず、自然にたくましくと、なかなかいい親をやっているつもりだった。いま思うとそれは私の思いで、子どもの気持ちとは別だった。あとで聞くと息子がいた教室はイスは飛ぶ、ガラスは割れる、いじめは何組もあるなど、学級崩壊状態だったらしい。
息子は外界への恐怖感と不安感が強くてまったく家を出られなくなり、私からも離れられなくなった。あるとき、妹の保育園のお迎えだから、とウソを言って息子をムリムリ連れ出し、予約した病院へ連れて行った。駐車場に着いて私が「病院に行こう」と言うと息子は「お母さん、オレをだました!」と叫んだ。まったくその通りだった。
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