わが家には中3の長男を筆頭に、中1、小3の子どもがいる。3人とも不登校である。子どもたちが不登校になってみてはじめて、私は自分の頭を使って物事を考えるようになったように思う。不登校の経験は私にはないし、まわりに手本もない。子育てのマニュアル本や相談機関に行こうものなら、たちまち自己嫌悪に陥ってしまう。たしかに完璧な子育てではないし、手抜きばかりだった。でも親として学校へ強制連行したり、物で釣ったり、言葉での説得したりとありとあらゆる方法で学校へ気を向かわせようと試みた。が、すべてむなしく終わったのだ。こんなに私は努力しているのに、自己否定を続け、自傷行為をする長男の横で、私も「死にたい」と本気で思っていた。
622号 2024/3/15
「中学校は私にとって戦場でした」と語るのは、作家・森絵都さん。10代に向けた小…
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