連載「家庭内暴力」
「『ごめんなさい』と言え、土下座して100回言え」と張りつめ、怒りに満ちた表情で、息子はくり返し怒鳴った。「なぜ土下座を?」と思いつつ、渋々、頭を下げるとものすごいゲンコツが頭に降ってきた。夢中で一生懸命に頭を下げた。1回2回……50回ぐらいまできただろうか、力尽きて頭を上げた。……すると「途中で休むな! 最初からやり直せ!」……息子はとことん100回の土下座にこだわった。
次の日も、その次の日も100回土下座を要求された。「額に床をつけるとき、ゴツンと音がしなくてはダメだ!」と、こだわりが増していく。土下座しているときに、いきなり頭を踏みつけられ、気を失いかけ、頭や額にはコブ、うすく血もにじむ。ふらふらしながら、借家に帰る(息子とは別居中)。"もう会いたくない!”放心状態になった。けれども、翌朝になると、明け方から息子の8品目の食事をつくり、息子のもとへ通い続けた。
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